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 これまで行ってきた研究の各プロジェクトの概要および作品の概要
 
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 *Information Landscapes / VISTORY [#kfb41d39]
 本システムでは,人物の経歴といった複数の時系列データ(タイムライン)と,各時系列データ間の相互関係性を提示するためのシステムである.従来の個別のテキストのリスト形式(Fig1.a)による提示では,異なるタイムラインを参照し,それぞれに含まれる出来事の関係性を参照したり比較することが困難であった.そこで,本システムでは,視覚的概要をユーザに提供することにより,膨大な情報の閲覧および関係性の理解を支援する.
 本手法では,まず,Pillar Shaped Timeline(以下PST)と呼ぶオブジェクトにより,個々のタイムラインの視覚的概要の生成を行う.PSTオブジェクトは,各タイムラインの継続期間に応じた長さを持ち,含まれる出来事の時期と数に応じて,対応する箇所の太さを変化させることで出来事の分布状況やタイムラインの特徴を視覚的に提示する.次に,このPSTオブジェクト同士を関連性オブジェクトと呼ばれるドット状のオブジェクトを介しパスで結ぶことによって,出来事間の関連性を視覚化する.このように関係性を示すオブジェクトによって間接的に連結することにより,タイムライン間の関係性の有無だけではなく,どういった関係性があるのかを素早く確認することができる.システムは, Java言語(JDK 5.0)およびデータベース(hsqldb)を使用し実装を行った.なお,システムは,レイアウト手法などが異なる,"Information Landscapes"と"VISTORY"の2バージョンを開発した.
 なお,本システムに関連する研究発表としては,国内の研究会および2005年にロサンゼルスで開催されたCG関連の最大規模の国際会議SIGGRAPH2005にてプレゼンテーション発表を行っている.また,本研究をまとめた論文は,現在,論文誌(芸術科学会)へ投稿済みであり,査読の結果,条件付採録となっており,2月上旬に修正版を再投稿する予定である(2007年月10日現在).
  
 *SocialLandscapes  オンラインコミュニティのためのインターフェイス [#cebf8bfd]
 本研究では,近年急速に普及しつつある,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下,SNS)のための視覚化インターフェイスの提案を行った(Fig.4).SNSとは,明示的な友人関係のネットワークを構築する機能や,コミュニケーションを円滑にするための機能を提供する,コミュニティ形成支援のためのサービスである.
 提案システムでは,主に,従来のテキストベースのインターフェイスでは得られにくい,友人らの活動状況の変化やコミュニケーション状況に対する気づきの向上支援を目的とした.本手法では,前述したVISTORYで提案したPSTオブジェクトを応用し,ユーザの友人らの長期的な活動状況の変化として日記の投稿履歴と,短期的な活動状況の変化としてサービスへの参加状況を視覚的に提示する.また,オブジェクト間の距離により,ユーザとその他のユーザ間の訪問履歴,互いの日記へのコメントといったコミュニケーション状況を提示する.ユーザは,本システムにより,複数の友人らの活動状況の変化を同時に俯瞰することができる.実装には,日本最大規模のSNSであるmixiのデータを利用した.実装は,Java言語(JDK 5.0)およびデータベース(hsqldb)を使用した.なお,本研究は,2006年にイギリスのケンブリッジで開催されたICEC2006にて発表済みである.
 
 *INFODAM ニュース情報閲覧のためのインターフェイス [#b0e10527]
 本研究では,ニュースなどの動的に発生する情報源から,ユーザの興味のある情報発見を支援するための視覚化インターフェイスの提案を行った.本提案では,いつ変化するか分からない動的情報へのアクセスに対する負担の軽減を考慮し,興味のあるキーワードを入力してしばらく放っておき,手が空いたときにだけたまに眺めて確認するといったスタイルを含めて提案を行った.
 2002年国内の研究会インタラクション2002で提案したINFODAM(Fig.5)について説明する.まず,ニュースが発生すると,オブジェクトが画面の上部から下部にむかって流れはじめ,最下部へ到達すると消える.ユーザがあらかじめ興味のあるキーワードを入力すると,画面を横断するように水平方向に一本のライン(Infodam)が現れる.もし,情報がこのダムを通過する際に,このダムに割り当てられたキーワードを含めば,情報はその位置で一定時間せき止められる.そして,一定時間が経過すると再び流れ始める.つまり,ユーザの設置したキーワードを含む情報ほど,長い時間画面内にとどまることになり,興味のある情報ほど目に留まる確率が高くなる.ユーザは一瞥するだけで,情報がどれくらいの量があるかを直感的に知ることができ,また,上下方向の位置によって,その情報が発生後のおおよその時間を知ることができる.また,なにか大事件が起こっていれば,同時に大量の情報が一気に流れたりするため,目に見えにくい情報の流れを感じることができる.開発は,Java言語(JDK 5.0)を使用した.データは,あらかじめ保存したデモ用のデータを用いた.
 なお,本研究は現在も継続中である.現在開発中のバージョンでは,実際のオンラインの情報を取得できるようになっており,論文投稿の準備を進めている途中である.
 
 *QueryLights ― 情報検索のためのインターフェイス [#ya900065]
 本研究では,キーワードを入力し結果を得るといった情報検索を視覚的に行えることを目的とした.従来,このタイプ検索を行う場合には,ユーザは目的の情報に関連するキーワードをテキスト形式で入力し,検索結果をテキスト形式のリストで得ていた.もし,思うような結果が得られなければ,改めてキーワード増やしたり組み合わせを修正する作業を繰り返すことで目的の情報得る.ユーザは,自身が入力したキーワードや,その組み合わせに対する結果のすべてを記憶しながら作業しなくてはならないため,ユーザにとって大変負担であると考えた.
 提案システムQueryLights(Fig.6)では,ユーザが検索のためのキーワード(クエリ)を入力すると,画面内に一本の光に見立てた線が割り当てられる.ユーザはこの線をクリックすることで,割り当てられたクエリに一致する情報を得ることができる.また,ユーザは,線の両端を動かすことによって,自由に線同士(異なるクエリ同士)を重ねることができる.光同士が重なった領域をクリックすることで,すべてのクエリを満たす結果が得られる(AND 検索).クエリを視覚化することで,ユーザの負担を軽減し,かつ,検索条件を同時に複数作成することが可能になり,検索結果同士の比較を行いやすくすることができる.実装は,Java言語(JDK 5.0)を用い,テスト用のデータを用いた.
 本研究は,現在も継続中であり,現在は,実際オンラインで得られる結果により利用できるバージョンを開発中である.検索データの取得には,Googleが提供するAPIを利用している.
 
 *Interactive Chronological Table − 歴史情報のための年表インターフェイス [#va4ccb4e]
 本研究は,ユーザが入力した歴史情報を3次元状の年表として視覚化するためのインターフェイスである(Fig.7).既に完成した年表や歴史辞書を単に読んだり見るのではなく,自分の興味のある情報や知っている情報から年表を少しずつ育てていくことで,徐々に視覚的に歴史情報を覚えたり理解することを目的とした.入力した出来事に関する情報は,年代とユーザが入力した時間の二つの時間軸によって3D 空間上にマッピングされる.これにより,ユーザは学習した時期や順番などの個人的な記憶と,「だいたいこのへんにあったような」というような視覚的・空間的な記憶を利用して,情報を記憶したり検索することができる.年代の丸暗記ではなく,「あの出来事よりはこっち側にあった」というような相対的な位置関係を利用して,時間的な前後関係を把握することができる.本作品は,多摩美術大学2000年度学部卒業制作として制作された.実装には,Java言語を用いた.
 
 
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