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  検索システムを情報をさがす情報探索行動((日本では,searchもseekも探索訳されることが多い. 「情報検索の認知的転回」では,seekを捜索,searchを探索と訳しているが,information seeking behaviorは,定着している情報探索行動と訳したとのこと))(information seeking behavior)は,探索者の要求の違いにより,大別して,情報検索(known item seeking/well-known search)と, 探求探索(exploratory seeking)に分類することができる.
 
  情報検索とは,探索者が,探している情報についてよく知っており,結果を提示された時に,自分が探していたものであるということが分かる場合の検索である.つまり,正解が存在する種類の探索を指す.探索者が既に知っているアイテムを探索する情報検索(known item seeking)では,「正しいもの(the right thing)」が求められ,手に入った時点もしくは,あきらめた時,または,情報がないと判断したときに探索が終了となる.
  一方,探求探索は,探索者自身が探している情報そのものについては正確には知らずに行う探索行動である.探索行動の結果として「満足する情報を入手する」という明確な目標は存在するものの,入手する情報そのものについては,特定の正解が存在せず,要求を満たせば良いという意味において,検索要求が漠然としている.この種の探索には,探索行動に明確な終わりが存在しない,正解が存在しないといった特徴がある.また,ユーザー自身の興味や関心の移り変わりとともに、探索の対象や方法もまた変化していく.一般的に,「あいまい検索」という場合には,ある商品名の名前の記憶が定かではなく,なんとなくしか思い出せない場合に検査を行う場合や,本の表紙が青色だった,という記憶をもとに行われる記憶が曖昧な検索を指す.
 
  探求探索では,「いくつかの満足する結果(A few good things)」が得られれば良く,明確な探索終了というのは決まっておらず(open ended),「正しい答え」が限定的ではない.探索者が満足したと考えた時点もしくは,あきらめた時点で終了となる.日本語で「探求」といった場合には,探しているものが明確な場合を指すイメージがある.例えば,古本の場合「探求書」といえば,具体的な書籍名や著者などについて知っているか,もしくは,見た瞬間にそれということが分かる書籍を指す.しかしながら,この例のような,探索者にとって正解が存在する場合には情報検索に分類される.
 
 
 
 *[メモ]分類について [#g17ce044]
 分類する際に,再検索(refinding)や,全数検索(exhaustive research)を挙げる場合がある.しかし,再検索は,探している情報が既知であるという点において,情報検索と見なすことができる.全数検索とは,「すべて(Everything)」知りたいという要求をもとに行われる検索である.本論文では,全数検索は,探求探索の過程に生じる検索要求と捉えることにする.
 
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