DIAVIS-wiki
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[[GraphicalStorytelling]]


-まず,タイムラインを使用した研究について述べる
-次に,複数のタイムラインについて述べる
--デジタルライブラリ
-次に,関係性の提示問題
--ネットワークダイアグラムについても触れる
-視覚化手法の類似している研究


 まず,出来事の履歴をタイムラインによって視覚的に提示するインターフェイスの最もよく知られた先行研究としてLifeLinesがある.このシステムでは,医療における各患者への医療行為の履歴をタイムライン上に配置することによって,各患者の,各医療行為同士の関係性を視覚的に閲覧できるようにすることを目的としている.そのため,各人物に関する出来事の時期を視覚的に得ることできるが,異なる人物(タイムライン)での出来事間の関係性の提示は考慮されていない. 

 複数のタイムラインの閲覧を考慮した研究としては,[ Allen &note{'Robert B. Allen':A Focus-Context Browser for Multiple Timelines}; ]が,複数のタイムライン間でのイベントの比較を行うためのインターフェイス提案を行っている.テキストベース.画面が'Context'スペースと'Focus'スペースに左右に分かれている.ユーザは,'Context'スペース上部にあるプルダウン・リストから,どのイベントセット(タイムライン)を表示するかを複数選択可能.異なるイベントセットは異なる色で表示される.ユーザは,表示する年代の範囲を制御できる.
 また,デジタルライブラリにおける複数の写真家ごとの作品を視覚化したDynamic Timelineでは,各写真家の生存期間を3D仮想空間内の床面上にバーチャートによって表現し,各バーチャート上にそれぞれの作品の画像を制作年に基づいて配置している.このように,各写真家の作品を人物ごとにまとめることで,それぞれの写真家の作品へのアクセスを容易にし,各作品の制作時期をすぐに得ることができる.また,複数の写真家を同時に見ることができるため,人物同士の生存時期や期間を比較することができる.しかしながら,この研究では,各人物(タイムライン)同士や各作品(出来事)同士の関係の明示的な視覚化は行われていない.

 タイムラインにおけるイベント間の関連性の提示に関する研究には,Jensen[&note{{Visualizing Complex Semantic Timelines};]がSemTimeという視覚的ツールを提案を行っている.時間軸を直線的に提示するのではなく,タイムラインをいくつかに分離し,画面内で上下方向にスタックする.その上で,イベント間の関係性をパスによって明示的に示している.

 最後に,本稿で提案するシステムが行った視覚化手法のように,タイムラインとネットワークダイアグラムを結合することによって,時間的な関係性と要素間の相互関係性を同時に提示する視覚化手法の研究がすでにいくつか行われている.小池らによるVisualLinda?およびVOGUEでは,プログラムを視覚化対象として,プログラムの各プロセスのタイミングチャートと各プロセス間のメッセージに基づく関係性を,3次元空間を利用することでひとつのモデルとして視覚化している.また,時空間的(spatial-temporal)情報を視覚的に提示するために,3次元空間の縦軸をタイムライン,水平面を地理的マッピングに利用するシステム[ ]がある.これらの視覚化では,レンダリングに透視投影によりパースのついた状態で視覚化を行っている.これにより,一画面内に収められる情報量は増加するが,インターフェイスの分野では,3次元によるインターフェイスは閲覧や対象に対する操作が行いにくいなどといった問題がよく知られている.そこで,本稿で提案する視覚化手法では,3次元のレンダリングを透視投影ではなく,印刷媒体における図解を目的としたダイアグラムなどでもよく見られる,平行投影を用いることよりこうした問題を解決している.
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