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 [[博士論文]]
 
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 *視覚の記号化/符号化(Visual Encoding) [#b16c7898]
 
 情報視覚化において,造形的な要素(graphics elements)は,意味内容を表現するため視覚的な構文(visual syntax)として用いられる.
 
 造形的な要素とは,
 -点(points)
 -線(lines)
 -面(area-covering?)
 -空間的な位置(spatial position)
 
 空間的な位置と独立して情報を付与することができる.
 -大きさ(size/length/thickness)
 -色(color)
 --明度(brightness)
 --彩度(saturation)
 --色相(hue)
 -形(shape)
 -角度・方向(angle, orientation)
 -素材感(texture/texture density)
 -曲率(curvature)
 
 上記のものに加えて
 -動き
 -変化
 
 
 
 
 
 **時間データについて [#qa736cb3]
 -時間データOtを,アニメーションにおける時間に対応づけることは自然であるが,必ずしも適切であるとは限らない.時間を,空間における位置(x軸における位置など)としてエンコードした方が,異なる二つの時間の差を読み取ることができ,さらに,それらの時間における他のデータをy軸に割り当てることにより,直接,異なる時間のデータを視覚的に比較することができる.
 
 
 *草稿 [#i74ec419]
 
 視覚化する場合,装飾的な表現を除けば,結局のところ情報(データ)を,視覚的な造形要素に対応づける(mapping/assign)のかという問題に還元される.視覚的な造形要素とは,大きく分けると,色,形,動きの3つに分けられる.これらは,さらに,以下のように分けることができる.
  まず,色は,色相(hue),彩度(saturation/chroma),明度(brightness)の3属性から成る.色相とは,赤とか青とかといったどのような色味なのかということで,彩度は,鮮やかさの度合い,明度は,明るさの度合いのことである.
  次に,形は,どのような形なのかという形態(丸いとか四角いなど)と,大きさ(もしくは面積),長さに分けることができる.
  最後に,動きは,まず,動き自体があるのかどうかというの動きの有無,動き方(軌跡),速度やその変化の仕方,また,こちらからの働きかけに関する反応の有無やその反応の仕方に分けることができる.
  
  今挙げたように,視覚的な造形要素は有限であり,この数に対して,それ以上のデータを割り当てることはできないため,どの情報を伝えるべきかによって,取捨選択していくことになる.だからといって,これらの造形要素のすべてをいつも使い切らなくてはいけないわけではなく,伝えたいことを伝えるためには,視覚化するデータとその表現も絞ることも考えなくてはいけない.もっとも伝えたい情報内容の優先順位を考えることが重要になってくる.その上で,そのことが最も識別しやすい,または効果的になるような対応付けが必要となる.
  例えば,
 
  例えば,ブログにおける日記の「更新の頻度が高い」ということを表現する場合を考えてみる.いくつかの表現方法が考えられる.
  まず,更新回数を,棒グラフによって統計的に表現し,他の情報と比較して相対的に「更新の頻度が高い」ということを示すことが考えられる.これは,視覚的な造形要素のうち,形態を利用した表現ということになる.
  次に,色を利用して表現する場合を考えてみる.例えば,赤から青までのグラデーションで表現することを考え,更新回数が多いほど,赤に近い色とし,更新回数が少ないほど青に近い色で表現する方法が考えられる.赤色,つまり暖色系の色は活発,熱い,元気といった印象を与える.一方,青色つまり寒色系は,冷たい,静か,穏やかといった印象を与える.このことが,「更新頻度が高い」ということを表現する上で,心理的にもたらす効果が,情報内容と近いため自然と受け入れられる.これが,いわゆる直感的な表現といえる.もし,色と更新回数の対応関係を逆に入れ替えていたとしたら,多くの人が,逆の意味内容を受け取るだろう.これらの背景には,運動量と熱量の関係,ひいては,温度と分子の運動といった物理的な現象も関係していると考えられる.
  他にも,彩度を利用して,鮮やかなほど更新頻度が高く,彩度が低いほど更新が停滞しているという表現も考えられるだろうし,同様に,明度を利用する方法もある.また,動きを利用する場合,更新がないことを静止しているオブジェクトで表現し,オブジェクトが振動していたり,動き回っているオブジェクトが更新があったことを表現するという方法もある.そして,更新頻度の違いを,速度で表現するといったことが可能である.
  さらにいうと,色と動きを組み合わせることで,相乗効果により,伝達効果を高めることもできるだろう.
 
  人が,「直感的な表現」という場合,それは,いかに,自然な対応付けを行えているかを意味している.
  それらは,人間が経験的に学んできた事柄に左右される.生物としての人間が
 まず,人間であるということからくる経験.
 単純に,本来,その表現と意味していることの間にはつながりはないが,慣習的にそうなっていた,ということからくる経験の記憶.いわゆる刷り込み効果/学習効果である.例えば,トイレのピクトグラム(人の絵記号)は,なんら,その場所が人間が用を足すところであることは一切表現していない.にも関わらず,あの人の形を見ることによって,そこがトイレであることが分かるのは,単に,その事実が広まって,多くの人や国が同意して利用することによるものである.その記号と内容の関係は恣意的なものである.
  また,文化的な違いによって,直感的な表現というのも変化してくる.男性と女性を表現する形自体も,男性がスカートをはいている国もあるため,日本人が受け取る印象とは必然的に異なるはずである.色についても,日本では,赤が女性で,黒や青が男性という共通認識があるが,他の国においては,必ずしもそうとは限らない.これらは,そういうことになっている,という約束事なのである.
  
 
 *参考文献 [#vf7b819c]
 - Visualizing real-time multivariate data using preattentive processing (1995) 
 --by Christopher G. Healey, Kellogg S. Booth, James T. Enns
 --ACM Transactions on Modeling and Computer Simulation
 --http://www.csc.ncsu.edu/faculty/healey/download/tomacs.95.ps.gz
 -http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.49.9476
 
 
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